前回の取材の話の続きですが、昔町・鞆の浦で感銘を受けたエピソードをもう一つ〜保命酒の蔵元「中村家」の屋敷跡「太田家住宅」の取材で聞いた話です。

江戸時代は保命酒の製造・独占販売で財を成した中村家は、広大な屋敷を旅人の宿としても提供していたそうです。従って屋敷の中に保命酒をつくる蔵、旅人が泊まる宿スペース、そして中村家の人々が暮らすプライベート空間が共存していたのですね。

左の写真は、その中村家の人々が暮らすところにある「トイレ」と「風呂」の空間です。当時は「男女、席を同じせず」という考え方が基本で、写真奥に男性の間が、手前に女性が暮らしていたようです。そして写真の左のほうに写っている江戸時代のガジェット「音姫(おとひめ)」の仕掛けが面白い。

●音姫とは水を流す機械で、「そこから水が流れていると」、「今、女性がトイレかお風呂に入っていますよ」というお知らせ。
→ その時には男性は用を足しにはいかない。
●向こうの居間から、光が差し込んでいると「男性が使っていますよ」というお知らせ。
→ 女性はこちらの間で控えて待つ。

下の映像でそのガジェットの仕組みを見ることができます。

何だか面白いと思いませんか?時代、時代に応じて、様々な生活の知恵が詰まっているのだな、深く感銘を受けた次第です。

まさに「温故知新」〜故きを温ねて新しきを知る。いかに便利になった今でも、様々なところで創意工夫をする生活を忘れてはいけないな〜と思った次第です、はい。
ITの進展で便利さを一方的に享受しているだけでは、面白くないですよね。リアルな世界で知恵を絞って生活を楽しむ、面白さ、大切さを感じ入った瞬間でした。

そのほかの面白いエピソードは?・・・もう一つと言いながら、後二つ程度、また紹介したいと思います。
「今宵はこれまでに、しとうござりまする(笑)」。

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