東日本大震災 復興支援 チャリティマッチ フェザー級ボクシング世界三大タイトルマッチ。2011年4月8日(金) in 神戸ワールド記念ホールにて観戦。
東日本大震災の直後に自身の公式ブログで被災者へ励ましの言葉をつづり、勝利で被災地へ勇気を届けんと果敢に立ち向かった長谷川選手。残念ですが勝負の世界は非常でした。しかし、それにも関わらず、激闘の戦いの翌日のブログで被災地へのメッセージも忘れない。本当に真摯な男だと思います。
さて、私なりの観戦した感想ですが、
私がボクシングは素人ということを差し引いてお読みください。ゴングが鳴った瞬間からスリリングな攻防を展開、防御のスピード、パンチのシャープさは両者とも一級品、実力は紙一重だったと思います。ただ、長谷川選手がバンタム級の体格に見えたが、挑戦者のジョニー・ゴンサレスは筋肉隆々、同じバンタムから階級を上げたと思えないほど、フェザー級の骨格に写りました。
そう、パンチの重さというか、重くて指すようなパンチの迫力は長谷川選手を上回っていたような気がします。3Rが終わった時点で判定では長谷川選手がリードしていたそうですが、初回から数度、ゴンザレスの重いパンチを顔面にヒットされていました。それらのパンチがゴンザレスの得意の左のロングフック。長谷川選手の頭の中には、「左を気をつけないと」という意識が強まっていたのかもしれません。
そして、魔の4ラウンド。ゴンサレスの右のロングフックが長谷川選手の左の顎にクリーンヒット。得意な左を行くと見せかけてフェイントを掛けながら、視界の外から弧を描いて打ち込む右フックで一撃。ゴンザレス・サイドの作戦勝ちと言えるかもしれない。長谷川選手も試合後のコメントで「見えなかった。左を警戒していた。何をもらったか分からなかった」と言っています。
4ラウンドが始まってわずか58秒。それまではリードしていただけに、本当に魔の一瞬ですね。ただ、足を使ってヒット&アウェイで行けば判定で勝てたかもしれません。しかし、長谷川選手はあえてそれを封印し、果敢に打ち勝とうという意志を感じました。被災地の方々に勇気を与えるためにスカッとKOでメッセージを届けたかったのでしょうか?それともファイティングスタイルで挑むゴンザレスのスピリットに負けん気魂が刺激されたのかもしれません。
いずれにしても長谷川選手の逃げない姿勢、正面からフェアなボクシングで戦おうとした姿勢に「男の美学」を見ました。誰も彼を責めない。
そしてきっと、傷だらけの日本のように、もう一度はい上がってくる男だと、ファンは信じているに違いありません。今年の暮れには震災の復興とともに、再びリングでベルトを巻く長谷川選手の勇姿を見ることができるでしょう。
追伸
同時に開催された粟生隆寛選手と西岡利晃選手のほうはスカッとしたKO勝ち!東日本の方々へしっかりと勇気を送ってくれたと思います。当日へ復興支援チャリティということで、真正ジムが製作した「東日本大震災のチャリティーTシャツ」の売上金の全額、歴代の有名ボクサーも参加したサイン会で集まった義援金は被災地に寄附されるそうです。こうしたイベントが各地で積極的に開催され、勇気・元気・復興財源が被災地に送られることで、日本は復興に向かうのだと強く思いました。
■粟生隆寛選手と西岡利晃選手のハイライト映像です。
4回戦の選手の試合からハイライトしています。徐々に上がっていく観客のボルテージと格段にレベルアップしていくボクサーの力量にご注目ください!
ちなみに、西岡選手は2009年にメキシコに乗り込んで今回、長谷川選手に勝ったジョニー・ゴンザレスをKOで撃破しています!下記の映像はその時のメキシコの放送局の映像です。
西岡選手の伝家の宝刀“左”をご堪能ください!