昨日、初日の映画「BLACK SWAN(ブラックスワン)」を鑑賞。感想は「面白いが怖い!」「秀作だが、もう1回観ようとは思わない」というくらい、見終わった後に疲れました。でもバレエファンや心理劇が好きな方には絶対に見て欲しい秀作です。
映画「BLACK SWAN」公式サイトは
●オフィシャルで個人でのPRが許可されている映像の予告編

●バレエのほうの「BLACK SWAN」登場シーン

それはともかく、私の映画を観た感想です。

映画や小説などは人それぞれ、面白いと思えばそれで良いと私は思いますが、あえて独断と偏見で言えば、「パイレーツ・オブ・カリビアン」が好きな方より、「エヴァンゲリオン」のディープなファン。娯楽小説よりもニーチェやドストエフスキーが好きな方におすすめかな?・・・と思いながら、観ていました。

舞台はニューヨークのバレエ団なのですが、バレエ映画というよりは心理劇。しかも主人公のトラウマ、生活環境から生まれた心の闇。それが「白鳥の湖」で主人公に抜擢されたプレッシャーから、心の闇が暴走し始めるという心理描写を描いた映画でした。

バレエ「SWAN LAKE(白鳥の湖)」はバレエという領域を越えて人間が生み出した芸術作品の最高傑作だと私は思っています。白鳥と黒鳥という二人の相反するキャラクターを一人のバレエダンサーが演じる。可憐で純真無垢な白鳥と、欲望と堕落の世界に誘惑しようとする悪意に充ち満ちた黒鳥〜そうした善と悪の対比、しかも対照的な二人が交錯するというよりも、一人の女性の中に潜む「表」と「裏」の内面世界を見事にバレエという舞踏で描ききっています。

しかも、白鳥に恋した王子が、白鳥とうり二つの黒鳥に魅惑され愛を誓ってしまう。外見ばかりにしか目が行かず、白鳥と黒鳥の心の違いが見抜けない男の浅はかさも描いているから、さらに面白い。

それはともかく、映画「ブラックスワン」の主人公ナタリーポートマンは、その複雑な心の闇が展開されていく物語を見事に演じきっていました。映画の話自体は、バレエ「白鳥の湖」の白鳥と黒鳥の「善と悪の対比」の話とシンクロしながら、主人公(ナタリーポートマン)の女性が自身の「善と悪の葛藤」から、闇の世界へと落ちていくという複雑な役柄です。

1年に渡るバレエ・トレーニングとダイエットでこの役に挑んだというナタリーポートマン(彼女自身も幼少期にバレエを習っていたらしい)のバレエシーンも見応え十分。それにも増して白鳥は見事に演じられるが、黒鳥はなりきれない主人公が、心の苦しみと戦っていく姿が印象的でした。映画の中でのヒロインはきまじめで純真〜だから白鳥は素のままで表現できる。しかし、自由奔放で男の操縦術に優れる黒鳥をどうしても演じることができない。

それをいくに克服していくか。ナタリーポートマンが勝ち取ったヒロイン役を奪おうとする黒鳥のような性格のライバル、性体験によって心を解き放てば黒鳥を演じきれると迫るバレエ監督、そして娘を溺愛する有名になれなかった元バレエダンサーの母親との葛藤が複雑にからみあい、ナタリーポートマンはひたすらダークサイドへひた走っていく。

■Point of view

心理描写が好きな方はもちろん、いつもコメディや勧善懲悪の映画を観ている方は是非この機会に一度、タイプの違う映画を!という意味でおすすめです。バレエシーンや音楽だけでも必見の価値ありです。

ビジネスシーンでは実に様々なタイプの方と出会います。「哲学や心理学、芸術が好きな方」「体育会系でほがらか、楽しいコトが好きな方」〜自分と同じタイプの方とは楽しい時間を過ごせるが、苦手なタイプが多いビジネスパーソンは、実は自分の興味のない分野にフタをする傾向があるのではないでしょうか?

自分の苦手な分野もどのような世界かを覗いてみる。さすれば意外とその面白さとそれらに共鳴する人たちの心も見えてくるものです。「面白い映画が好きな方はたまにシリアスな映画を観る」「シリアスな映画が好きな方はたまにスカッとする映画を観る」〜それが心の幅を広げ、視野の広いビジネスパーソンへと成長させていくのだと、私は思います。
という話はともかく!私がバレエファンになった最大の理由は、英ロイヤルバレエの究極の女性ダンサー「Tamara Rojo(タマラロホ)」の白鳥の湖を観た瞬間!
下記の映像は必見ですぞ!

●黒鳥のほう

■「白鳥の湖」って何?という方のための「あらすじ」〜あらすじだけを読むとつまらなそうな感じがしてしまいますが・・・。
ある国のオデットという女王が、悪魔ロッドバルトが現れ白鳥に変えられてしまう。またある国の王子ジークフリートが白鳥の棲む湖に狩りに向かう。そこで白鳥オデットと出会い、恋に落ちる。

オデットは夜だけ人間の姿に戻ることができ、この呪いを解くただ一つの方法は愛〜それを知った王子ジークフリートは舞踏会に来るようオデットに言う。しかし、舞踏会にやって来たのは悪魔ロッドバルトとその娘・黒鳥のオディール。その白鳥に変えられた白鳥オデットとうり二つだったため、王子は黒鳥のオディールの虜になり、結婚を誓ってしまう。

その様子を見ていた白鳥オデットは失意のまま湖へ戻っていく。悪魔に騙されたことに気づいた王子は嘆き、急いでオデットのもとへ向かう。王子は白鳥オデットに許しを請う。そこから王子は白鳥オデットの呪いを解くために、悪魔ロッドバルトと戦う。

そして結末〜何とバレエ団の数ほどではないが、フィナーレーが演目によって違うのです!
●原典:王子は悪魔ロッドバルトに勝利するが、白鳥オデットの呪いが解けない!失望のあまり、白鳥オデットは投身。王子も後を追い、来世で結ばれる。
●ハッピーエンド:悪魔ロッドバルトを打ち破り、白鳥オデットは人間に戻り、王子と晴れて結ばれる。

●恐ろしい結末!:
 20世紀のバレエ界の最高峰ルドルフ・ヌレエフがダンサー引退後、パリオペラ座で芸術監督を務めていた時期に演出した「ヌレエフ版」。王子の家庭教師が王子ジークフリートを溺愛するあまり、女性との結婚を拒むために、自分の脳内の中に王子ジークフリートを呼び寄せ、夢の中で白鳥の湖を体験させる。そして最後は自分の脳内の中で王子ジークフリートを葬り去る。ストーリー的な解釈はいろいろ諸説があるようですが、クライマックスでのあまりの悲劇に披露された当時は、怒り出す観客もいたほど賛否両論だったそうです。
ちなみに私は2年前に東京でヌレエフ版を鑑賞したのが、ゲイの世界を彷彿させる「王子ジークフリートと家庭教師の愛のパドドゥ(ペアダンス)」のシーンに奇妙な気分になったのを覚えています。
いずれにしても、いろいろな結末があって、その賛否を議論されるなんて、不朽の名作という証でしょうね。

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