資源エネルギー庁:原発支持の声紹介 東日本大震災・事故後発行の広報誌に
出所:2011/04/12 毎日新聞 朝刊
●引用始まり
「経済産業省資源エネルギー庁は11日、東日本大震災後の3月30日に発行した広報誌に、東京電力福島第1原発の地元住民の原発を支持する声を紹介する記事を掲載したとして「不適切な記事があったことをおわびする」との文書を発表した。
問題の広報誌は季刊「Enelogy(エネロジー)」。
座談会形式の4ページの記事では、福島第1が立地する福島県大熊町に住む女性の「原発がなくなってしまうと働く場がなくなるので困る」などの声が紹介されている。座談会は2月24日に行われた。
同庁は「一般の住民には届かないので問題ないと判断した。発行しないことも可能だったが、思いが至らなかった」と話している。
●引用終わり
東京電力福島第1原発の事故発生後に発行した広報誌「エネロジー」の発刊日は何と3月30日号。原発による地域産業振興や原発と地域の共生について、原子 力安全委員会の元委員長、今回の事故で避難指示が出ている福島県大熊町の婦人団体幹部ら3人のインタビュー記事を掲載。宮城県など関係自治体に約2000 部を無償で配布したという。
ここまで行くと、もうこの日本は終わりなのかな?と愕然としてしまいます。私は仕事柄、企業の社内報やリスクマネジメント・マニュアルなども請け 負っていますが、企業のコンプライアンス(企業の法令遵守)の姿勢はより一層厳しくなり、コンプライアンスに違反している項目や言葉がないか二重・三重の チェックが入ります。
ましてやステークホルダーである消費者や株主などに公開する情報となると、その神経の使いようと言えば尋常ではないレベルに来ています。今回の震災後の政府、東電を含め、競争のない世界の人たちの危機管理に対する甘さは空前絶後です。
普通の民間企業なら、倒産の危機が高まり、即社長交代、経営陣を一新して「みそぎ」を宣言しなければならないのに、政府も東電も「今ある危機の状況 に投げ出すことができない」とトップに居座る。特に清水正孝社長は病院に逃げていたのにもかかわらず、辞任する意志がないようです。もうマネジメントをす る能力と気力もないと判断して、自ら身を引くべきでしょう。これが戦国時代なら、東電の社長と言えば、有力大名〜責任を認めて自ら決断して欲しいもので す。
競争相手のない政府機関、半官半民の組織団体、公共性の強い企業(東電などのエネルギー産業)は、シェアが喰われて企業収益が悪化というファクターがない分、「春眠暁を覚えずの世界」で、危機に瀕しても寝ていても大丈夫という気の緩みがあるような気がしてなりません。
私みたいな名もない「一人社長」が叫んでも何の影響力もありませんが、「ホンマ、しっかいせいよ!」。