先日、小春日和の師走の一日、東京墨田区にある靴の製造メーカー「ヒロカワ製靴」の本社工場を見学してきました。

SCOTCH GRAIN(スコッチ・グレイン)というブランドで多くの熱烈なファンの支持を受けるヒロカワ製靴は、紳士靴の日本メーカーで唯一、企画から仕上げまで、ほぼ全工程を自社で行っているらしい。

そういう事前情報だけでほぼ頭を真っ白な状態で、靴セミナーと工場見学に参加しましたが、半日で目から鱗が落ちるように、流行に流されされず伝統を守ることの大切さ、日本の製造業の行方を垣間見ることができました。

●視察日時:2011年12月10日(土)
●視察場所:株式会社ヒロカワ製靴
      東京都墨田区堤通1丁目12番11号
●ツアー主催;JTB「おとなの探検 「職人モノ」シリーズ

当日の視察コースは、「基調講演」+「靴の製造プロセス見学」という流れで、まず「講演内容」のアウトラインを紹介します。

基調講演:株式会社ヒロカワ製靴 代表取締役 廣川 雅一氏


当社の創業は1964年。オリジナルブランド スコッチグレインの販売開始は1978年と、そう歴史があるわけでもありません。

しかし、多ブランド展開を止めてスコッチグレインというワンブランドに絞ったこと。また、仕入れ(皮は海外から)、企画・製造〜販売までを日本で、しかも「自社で全部、墨田でやろうよ!」と、決断するまでは、そうした短い歴史の中にも迷いや試行錯誤がありました。

過去には大量生産・大量販売に多ブランド化、海外での生産(主に中国)ということを視野に入れた時もありました。しかし、試行錯誤を重ねた経緯を経て、「本物の靴をお客様へ」「本当に当社の靴を愛するお客様」という、お客様目線に立った時〜「手縫い靴の良さを活かした本物を提供しよう!」という結論に達したわけです。

そうした「手縫い靴の良さを活かした本物を提供しよう!」というプロセスを実現するには、
●手縫いの良さを活かした機械縫いの工法では、1日400足が限界
●多品種よりは、ワンブランドにしたほうが、仕入れも効率が上がる・・・という結論に達し、
●大きくして大量に供給するよりは、ファンを増やそう!
という経営理念が出来上がっていったわけです。

その結果、以前は仕入れも商社を通して行っていましたが、「良いモノは自分たちで見て買おう」ということになりました。

以来、当社のコンセプトは次の通りです。
●焦らず、じっくりと伝統を守り抜く
●大きくしないで、ファンを大切にする
●Made in “SUMIDA”から、高品質な靴を発信していく

つまり、
“生涯を通じてSCOTCH GRAINを愛する一人のお客様”を育み、
”お客様から友人へ、親から子へ”
と、受け継がれる伝統を創っていきたいと思っているわけです。

■ブログ執筆者 近江 業務案内

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ

Leave A Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください