ボレロは音楽に興味がなくてもイントロが始まれば誰でも「アッこれか!」と閃く名曲。
ニコラ・ル・リッシュはたとえ、バレエを見たことがない人でも見た瞬間にはまるダンサー。
その組み合わせは、観る人のすべての心をつかむに違いない。興味のある方は、下記の”read more”をクリックし、Youtubeの動画をご覧ください。ただし、私が行った公演ではありません。
さて、話の続きですが、
ボレロは音楽に興味がなくてもイントロが始まれば誰でも「アッこれか!」と閃く名曲。
ニコラ・ル・リッシュはたとえ、バレエを見たことがない人でも見た瞬間にはまるダンサー。
その組み合わせは、観る人のすべての心をつかむに違いない。
そう断言できるのは自分自身が学生時代に音楽が5段階で「2」の音痴、楽器も弾いたこともないし、男子たる者「音楽のような弱々しいものは!」と考えていた思い込みの激しい、どうしようもない輩だったからです。
バレエにおけるボレロという演目はバレエ界の巨人「故モーリス・ベジャール」が1961 年に発表したダンスパフォーマンスの金字塔。それが1979年に故ジョルジュ・ドンが演じた公演で一気に爆発したらしい。同一のリズムが保持されるなか、 2種類のメロディーが繰り返される。そして一人のダンサーが様々なバリエーションで、リズムとメロディーを五感で感じながら、心の動き〜静と動、悲しみと 喜びを表現していく。今まで、著名なダンサーは男女問わずチャレンジしているそうで、日本では熊川哲也も挑戦している。そのすべてのパフォーマンスを観る のは不可能だが、今後は機会があるたびに見比べたいものだ。
さて、肝心のニコラ・ル・リッシュの公演だが、ギリシア彫刻のような肉体美をもちながら、華麗かつ繊細、そしてダイナミックな舞踏を繰り広げるパリ オペラ座のエトワール「ニコラ・ル・リッシュ」の舞踏は、16分間のラベルのボレロのシンプルで力強いリズムと完全に一体化していた。たった20分弱の演 目なので息を潜めて、ダンサーの一挙手一投足、心の動きも見逃さないように集中してみたので、見終わった後はひどく脱力。しかし、心の底から湧き上がって くる感動は押さえることができず、回りの人につられてスタンディングオベーションの渦に身を任せる。
ダンスのパフォーマンスの感想を言葉で表現するのは実に難しいもので、“Dance speaks itself”=「素晴らしいダンスは、ダンスそのものが語る」とでも言いましょうか。やはり、その感動は体験しないとわかりません。
ただ、バレエ公演の難点は料金が高いこと。この公演はオーケストラがなかったので、S席で11000円、海外の有名バレエ団などは25000円とい うのもざらだ。海外に行って観れば、円高の今なら日本の半額くらいで観られるのだが、あれだけの大人数で踊る公演でしかも海外からやって来るのだから、仕 方がないのかもしれません。
日本でもバレエの初心者のための「天井桟敷料金」=千円程度とか、バレエ入門公演などを開発して広く、多くの人に観て欲しいものである。特にヒップホップが好きな学生、小学生などに、ダンスの真髄にふれて欲しいと思う。
■ブログ執筆者 近江 業務案内
近江様、初めまして。
つい先週、新国立劇場で「白鳥の湖」を見て、本格的にクラシックバレエを好きになりました。まだ殆ど知識が無い為、色々と検索しており、何度かこちらのブログを拝見していました。
かなり大人になってから、バレエを好きになられたのですね。
私も40歳近くになりますが、首藤康之やシルヴィ•ギエムのコンテの舞台は幾つか見ていたものの、今までバレエは敷居が高くて、なぜもっと早く見なかったとかと悔やまれます。これからはクラシックバレエの舞台も沢山見に行きたいと張り切っています。
今回は、パリオペラ座バレエ団を追ったドキュメンタリー映画「エトワール」でニコラ・ル・リッシュを見て、どこかロックスターのような風貌だなあと思い、気になって検索したところ、こちらの記事に遭遇しました。
彼はボレロを踊っているんですね!
数ヶ月前にジョルジュ•ドンのDVDを購入してボレロを始め、ドンの耽美な世界を堪能していました。またネット動画でシルヴィ•ギエムの神々しいダンスを見て、ボレロの素晴らしさに感銘を受けていましたので、思わずコメントしてしまいました。
ニコラ・ル・リッシュはどこかジョルジュ•ドンの雰囲気に通じるものを感じますね。機会があれば彼のボレロを生で見てみたいです‼
こちらのブログではバレエだけでなくあらゆるジャンルの面白い記事を書かれていて、読んでいてとてもワクワクしました。
これからも楽しく拝見したいと思います。
tamaさま コメントありがとうございます。
そうなんです、若い頃は体育会系で造詣が浅く、いろいろなものに勝手に、面白くないと決めつけておりました。が、ロンドンでバレエを偶然見て、今までの固定概念が吹っ飛びました。
バレエは舞踊を越えて、スポーツであり、アートでもあり、音楽でもあり、総合芸術ですね。中でもニコラ・ル・リッシュはギリシアの彫刻が舞台に躍り出てきたような美しさとダイナミックスさを兼ね備えていました。
これからも機会があれば、バレエを楽しみたいと思います。