映画「パリ・オペラ座 ダンスの饗宴」鑑賞記

昨日(2020/5/23)、大阪の映画館が解禁されたので、早速行ってきました。「スティング」を見ようか、「21世紀の資本」にしようかな?・・・と、迷いましたが、「パリ・オペラ座 ダンスの饗宴」がリバイバル上映されていたので、大スクリーンでのバレエ鑑賞と洒落込みました。

パリ・オペラ座全景/2016.12撮影

さて、私自身はサルサやヒップホップなどを趣味程度で遊んでいるだけで、バレエなんて遙か向こうの銀河スターの存在です。ホンマに見るだけ・・・!というより、バレエは芸術であるばかりではなく、体操選手級の究極の運動能力、空手家のようなキック力、ヨガの大家のような柔軟性と体幹、そしてリズム・音楽性、日本の能に相通じる「静」と「動」の妙、集団舞踊の時にコラボレーション・・・など、など、その素晴らしさを表現するには、どのような言葉も当てはまらないほど、この世のものとは思えないほど、超越した存在です。

さて、映画「パリ・オペラ座 ダンスの饗宴」は、バレエという芸術を鑑賞した経験のない方でも楽しめるスペクタクルと娯楽性にも富んでいて、おすすめです。「バレエ?!女性や少女がやるもの?」と思っている方も、鑑賞後には今までの常識が吹っ飛ぶはずです。

映画の内容は『デフィレ』『エチュード』『くるみ割り人形』の三部構成で。圧巻は『エチュード』。映画「パリ・オペラ座 ダンスの饗宴」の『エチュード』では、ドロテ・ジルベール(Dorothée Gilbert)とカール・パケット(Karl Paquette)というエトワール(パリ・オペラ座バレエ団のダンサーの最高位)のダンサーを中心に舞踏が繰り広げられますが、芸術美と超絶技巧が見事に融合した至宝の逸品です。特にドロテ・ジルベールの舞踊には息をのみます。

下記の映像はYouTubeで見つけました。ただし、映画の映像ではありません。が!その素晴らしさを垣間見ることができます。

では何故、バレエ鑑賞を進めるか?!自身の仕事以外のプロフェッショナルの作品を知ることは、経営者や営業の方の仕事に相通じ、共感し合える部分があるからです。

特に、バレエは幼少の頃よりダンスの基礎練習を繰り返し、音楽理解と作品理解を深めて、ダンサーたちとのコラボレーションを繰り返しレッスンする日々。本当に地味で血がにじむ努力を積み重ねて、潜在的にもつ天賦の才能に磨きをかけていく。つまり、「ローマは一日にして成らず」の言葉の如く、「天才と最高峰の芸術は一日にして成らず」とばかりに、ここに至までのプロセスをイメージしながら、鑑賞すれば興趣が増します。

つまり、仕事以外の趣味がゴルフでも登山でも、将棋やスポーツ、アートでも何でもOKですが、その道の最高峰に位置する人々たちのそこに至までのプロセスを学べば、仕事にも生きるエッセンスとエネルギーを頂戴できるということです。

もっと、簡単に言えば、チコちゃんに叱られる!ではないですが、日々「ボーっと生きてんじゃねーよ!」ということです。日々、考えなら行動し、ボトルネックに突き当たれば、知恵と行動力、チームワークで解決の糸口を紐解いていく。そうしたプロセスをその道にプロフェッショナルの仕事に学ぶことができると強く感じます。

下記はパリ・オペラ座の日常〜レッスン風景です。最高峰の芸術が昇華するのはこうした日常の積み重ねにあることが伺えます。

現在、パリ・オペラ座をはじめ、芸術・音楽・スポーツが世界中がコロナウィルスのパンデミックで活動を停止する状況になっていますが、1日も早く日常の活動に願うばかりです。

パリ・オペラ座の映画に興味のある方は、あらすじと上演時間が記されていますので、公式サイトを参照ください

■余談/2016年5月8日に再掲載
実はパリ・オペラ座は公務員で政府が支援

パリオペラ座は、NYのメトロポリタン・オペラが独立採算で、運営している経営スタイルと異なり、政府が支援しています。

★パリオペラ座のバランスシート
劇場単体、オペラやバレエだけの収入だけでは悲しいかな、採算は取れないようですね。収入の50%以上が国からの助成金〜パリ・オペラ座が公開しているバランスシートを見ると、毎年約1億ユーロ(約106億円)を国が支援しているわけです。 0011-1024x623

文化事業の公演収入だけでは商売の妙味がないという点から、日本を含めて多くの国で文化振興に消極的になるわけですね。それに加えて、不景気になるとすぐにやり玉に挙げられる。

聞くところによれば、パリオペラ座の裏方を含め従業員が約1,600人。劇場の維持費、舞台装置の創作費や衣装費、芸術監督やスタッフ、出演者などのギャラを考えると、政府の支援なく、独立採算というのは難しいでしょうね。

それでは、「文化事業は儲からない」という事実にもかかわらず、フランス国家は何故そこまでして自国の伝統文化の保護を行うのでしょうか?それは国家のプライド、ブランド構築ではないでしょうか?

劇場自体、オペラ・バレエというコンテンツが磁力になり世界中から鑑賞しに来るという単純収入、それに加えて宿泊費、食事代、ショッピング費用を加えるとかなりの相乗効果が見込まれます。

それに加えて、国家の宝である歴史的資産である劇場、バレエ、オペラを保護し、発展させることでフランスのブランドとなり、トータル的には国家のプラスになるという考えだと思います。 そして、文化・芸術国家というブランド育成によって、政治・経済交渉にも有利に働くという認識も高いのでしょう。

今回のコロナウィルスの芸術界の経済的損失に対して、どのような支援をするのかは不明ですが、国家が運営している以上、相当の手厚い補助があるのではないでしょうか。

翻って、日本。現在までも結構、文化芸術に対する支援については、冷たく、さらに今回のロックダウンでも、休めというだけで芸術・音楽業界への支援の貧弱さは目を覆うものがあります。 オリンピックなど、一時的に派手なイベントもいいですが、古より受け継がれてきた日本の伝統芸能を未来に紡ぎ、世界へ発信していくマーケティング力を、フランス政府に見習い醸成していく必要があるでしょう。

 

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