パリの街をくまなく歩くと、どこに行ってもまるで一幅の絵画の世界に入ったような気になる。ルーブルやオルセー美術館などの有名スポットはもち ろんのこと、小さな街角や公園、名もなき路地裏に迷い込んでもそういう気分にひたれる。「パリのすべての空間がミュージアムだ!」と叫びたくなる気持ちに なった。それはグランドデザインの見事さに尽きると思う。政治家も市民も芸術・文化を愛し、まちづくりに並々ならぬ情熱を注いで結果だろう。

セーヌ川右岸のティルリー公園から見たオルセー美術館
ティルリー公園から見えるオルセー美術館の時計台の内側から見える風景。時計台から見える風景まで計算されているようで、デザイナーの発想はホント洒落てますね。

特に政治家や建築デザイナー、芸術家、市民が一体となり、戦略的かつ緻密な都市計画をたて、具体的に実践していくプロセスを遂行してきたという事実 を見ると、フランスの政治家の力量は相当なものと推測できる。19世紀の「パリの大改造」、20世紀の「マルロー法」による街並み保存、ミッテラン大統領 時代の「七つの大計画(グラン・プロジェ)」と、いずれもグランドデザインの観点でまちづくりが進められてきた。

そして、そられに共通するのは、「人が気持ちよく感じる視点」が入っていることだ。「人が気持ちよく感じるポイント」はもちろん人によって違うが、 「歩いていて空気が旨い」「街並みが美しく、目に心がうれしい」「オープンカフェでおしゃべりが楽しめて、身近に文化・芸術を楽しめる環境がある」という 視点でまちづくりが進められてきたのだな・・・という感じが、実際に街をくまなく歩いていて思った。

それを実現するためにはグランドデザインはもちろんのことディテールにこだわっていることが伺える。例えば「パサージュ」〜ガラスのアーケードのつ いた歩行者専用の商店街で、大衆食堂やカフェ、アンティークや雑貨店、小さな小劇場が並び、雨に濡れずに散策を楽しむことができる、日本の商店街のルーツ とも言えるものだ。こうしたエリアでも商店街全体がお洒落にデザインされていて、各ショップがデザインを競い合っていて、歩いて19世紀へタイムスリップ したような気分になれた。

写真はPassage Jouffroy(パッサージュ・ジョフロワ)
●住所/10-12 boulevqrd montmartre〜9 rue de la grange-batelière 75009 Paris
●最寄りメトロ/「Grands Boulevard」8・9番線

ギョッとするような人形が覗いている小劇場。

「大局着眼・小局着手」〜まさにそうした格言通り実践しているパリのまちづくり〜大きな視点とディテールでも緻密な戦術にもとづいて実践する大切さを学ぶことができた。

そんなアートで感じるパリをスライドショーにまとめましたので、よろしければご覧ください。

 

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