“空想の翼で駆け、現実の⼭野を往かん”
先日、NHK BSで放送された「新日本風土記 スペシャル“松本清張 鉄道の旅”」で登場した一句。「新日本風土記 スペシャル“松本清張 鉄道の旅”」は、「砂の器」や「ゼロの焦点」、「張り込み」など、松本清張が作品で登場したゆかりの地を北海道から九州まで鉄道を乗り継ぎ、小説の舞台を訪ねるドキュメンタリーを超えた心揺さぶられる番組でした。

 
“空想の翼で駆け、現実の⼭野を往かん”という誌は、義肢・装具や人工乳房などを製造する医療機器メーカー「中村ブレイス(株)」の本社前に建つ石碑で、松本清張が生前、同社に送った金言が記されています。
 
2012年と2016年に石見銀山を取材した経験があるので、石見銀山の大森町がが登場した時には、「オー、懐かしい!」と叫びましたね。そんなことは置いておきまして!
 
“空想の翼で駆け、現実の⼭野を往かん”という言葉は、将に“STAY HOME”の今、本や映像、映画から連想して、旅をして珠玉の風景を行く様を脳裏に駆け巡せる金言ではないでしょうか!
 
実際には訪問してはいないのですが(取材したのは石見銀山の“まちづくり”)、「中村ブレイス」は、世界遺産・石見銀山の麓、人口400人ほどの島根県太田市大森町にある地場企業。しかしながら、医療分野では世界に名を轟かせる有名な企業で、清張が「中村ブレイス」を訪問した理由は、同社の社会貢献性の高い製品を世の中に送り出していることに感銘を覚えたからだという。
 
中村ブレイス社は通気性が良く、身体にもやさしく、水洗いもできるシリコーン製の義手・人工乳房を開発し、世界中の医療機関からの引き合いが絶えることがないという。特に乳癌術後用人工乳房”ビビファイ”は、乳房を失うことで心身に大きな負担と苦しみを受けている女性向けに開発された製品で、地肌と同じ色で弾力性もあり、風呂に入っても周りの人に気付かれないほどの精巧さで患者の方ばかりではなく、国内外の医療関係者から賞賛されているそうだ。中村ブレイス社の詳細は、同社HPで。
 
さらに、社会に役立つ製品を排出し続ける中村ブレイス社は、まちづくりに参画し、大きな貢献をしている点に感銘した。同社は大森町に対する思いが人一倍強く、石見銀山の世界文化遺産指定を受ける際に、歴史的な背景やその裏付けとなる資料の収集に奔走、登録に向けた運動を中心となって進めたという。
 
そして!空き家となっていた古民家を改造し社員寮に改築したり、ゲストハウスを運営。さらに、古民家を改築して世界一小さいと自称する古民家を改造した「オペラハウス大森座」を2015年12月にオープンさせているから凄い!
オペラハウス大森座の写真などはこちらで。(竹下木材有限会社という地場の会社が建設を請けおったようです)
 
昭和39年に老朽化のため解体された旧郵便局を中村ブレイス社が買い取り、リノベーション。収容人数100人の世界一小さなオペラハウス「大森座」が誕生!大工職人の匠が地松材をふんだんに使い、木の温もりのある劇場空間を醸し出している。
 
この世界遺産・石見銀山の麓には、もう1社素晴らしい会社があります。その名も「石見銀山生活文化研究所」で取材した経験があります。全国の百貨店などに28の直営店を展開し、オンラインストアも開設。服飾ブランド「群言堂」を運営。石見銀山の自然をモチーフに、日本の織り染めの技術を活かして、糸1本にまでこだわって、生地から手づくりで行っている婦人服や婦人雑貨を生産・販売している。
 
 
 
復古創新(ふっこそうしん)の精神でまちづくりへと貢献するフィールドを拡大
「復古創新」とは古いものに固執するのではなく、いにしえの良きものを蘇らせ、その上に新しき時代の良きものを創っていくという「石見銀山生活文化研究所」社が創った言葉。その精神は、まちづくりにも活かされている。古民家を長い年月をかけて再生するという地道な考え方、田舎暮らしの素晴らしさを伝えるための機会の創出は、暮らす宿「他郷阿部家」や「無邪庵(むじゃくあん)/空き家を再生した寄合所」で体現しています。
 
大森町の人口は約400人。その内百数十人が、中村ブレイス社と石見銀山生活文化研究所の社員といから驚きだ。地元の雇用もあるが、社員の多くは県外移住者だという。その結果、かつては園児が2人まで減っていた町の保育園が、取材時にはベビーラッシュで14、15人まで増加したという。両社の取り組み、これこそが地方創生のあるべき姿だと強く思う。石見銀山生活文化研究所の詳細は同社のHPで。
 
奇をてらって、⼀時的なブームで集客する地元の気持ちはわかるが、未来につながる普遍的なモデル開発が必要だということを両社は体現している。
 
それにしても、安倍内閣の地方創生はどうなったのでしょうね?これから日本も世界もウイルスと共存しなければいけない時代を迎える。今回の人類の警鐘を契機に、政府機能は京都移転、企業も本社機能の地方分散。満員電車に揺られること無く、小鳥のさえずりや海の音を聞きながらテレワーク。月に一度は対面というワークシステムを構築することを願ういます。
 
NHKは批判も多く、また最近、民放を真似た下世話なバラエティー番組も増えているが、有料視聴に支えられた豊富な財務基盤をフル活用し、「新日本紀行」のような番組を継続してもらいたい。
 
興味があって見逃した方はNHK公式サイトでチェック!コロナの影響で番組ロケができない今、再放送を頻繁にやっているようです。
 
これから石見銀山に訪れてみたいという方に、全体マップを紹介します。石見銀山の世界遺産の正式登録名は「石見銀山遺跡と文化的景観」で、
  1. 銀山柵内:史跡指定地区(銀山地区)と重要伝統的建造物群保存地区(大森町が含まれる)
  2. 石見銀山街道:鞆ヶ浦街道と温泉津沖泊道
  3. 重要伝統的建造物群保存地区:温泉津温泉街

の3エリアが認定されています。つまり、
1.鉱石を探す 2.掘る 3.精錬する 4.銀貨をつくり売る 5.運ぶ 6.山を越えて海に運ぶ(日本各地・海外へ売る) 7.富が生まれ・人が集まり・街ができ・暮らす・・・という7つのプロセスで発展し、その歴史的価値が現在までに保存され未来に紡いでいることで、世界遺産に認定されたのです。

 
最後に石見銀山の麓にある大森町のまちなみのスライドです。江戸の頃、銀山で栄えた往時のまちなみが残る昔町です。これだけの規模で昔の風情が残っている空間はそうないと思います。
 

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