2016年12月初旬、“街道の町”を意味するストラスブールを訪問した。ライン川沿岸に開ける運河都市。人口27万人、都市圏人口39万人のアルザス地方の中心都市は、ヨーロッパの首都と呼ばれるほどに、政治・経済・文化の国際会議が、頻繁に開催される世界に開かれた都市。
■見聞ポイント
- 中心市街地のノートルダム大聖堂のあるエリアとアルザスの木組みの家並みが美しいプチット=フランス地区の旧市街は世界文化遺産。
- イル川の中洲である周囲2kmほどのエリアがホテル・デパート・レストラン・ショッピング施設が集中し、観光客のみならず地元の人で賑わっていた。
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- <li世界遺産である中心市街地を気ままに散策すると共に、lrt(次世代型路面電車)に乗車し、郊外から市街地を行ったり来たりしながら、路面電車の利便性・快適性を体感した。 <strong=””>※LRT/ライトレールトランジット (Light rail transit, LRT) とは
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- 低床式車両(LRV)の活用や軌道・電停の改良による乗降の容易性、定時性、速達性、快適性などの面で優れた特徴を有する次世代の軌道系交通システムのこと。
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- 本見聞記では、わかりやすく「次世代型路面電車」と記した。
■ストラスブールの概略図とLRT/次世代型路面電車網
ストラスブールのLRTの始まりは、1994年に最初の路線「A Line 」の開業。
以来、B・C・D・E・Fと次々と整備され、現在は6路線。
市内をくまなく網羅しており、自家用車を持っていない市民も楽々で市内へ出掛けることができる。
何故なら、各路線とも5分間隔で運行されているからで、郊外では結構、高速で走るので利便性も高い。
最も乗降が多いのは、トラムの各系統が集中するハブ駅 「オム・ド・フェール/Homme de Fer」で、世界遺産の旧市街のへそに停まる。
最大の特徴は、Park & Ride = 郊外の大規模駐車場に車を停めて、市街地へは路面電車で向かうことを実現したこと。
■LRTの導入効果
ストラスブールのまちづくりの歩みは、全て「自動車減らし」につきる。その核となるプロジェクトが「LRT」の整備。オイルショックを契機に持ち出されたトラムの計画は、長い間、反対派の強硬姿勢で実現できなかったが、1989年にトラム推進派のC・トロートマン氏が当選すると、計画は一気に前進。遂に’1992年、議会の承認を得て、総工費19億4千万フランを投じ、1994年に全長9.7キロの路線が開通した。
その後、1998年に9月にフランス全土で実施された「自動車なしの日」に、ストラスブールが先導役となり、21世紀に入ってもさらなる利便性と温室効果ガス排出の削減に取り組む姿勢は継続されており、さらなる進化を遂げているようだ。
■ストラスブールのLRTの特徴
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- 従来の路面電車のイメージとは、異なり騒音が少ない。
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- なめらかな動きをし、幅も広く乗り心地が良い。
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- 低床で高齢者・ハンディキャップのある人や乳母車を使う人も乗り降りしやすい。
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- 最大7車両・290人が乗車でき、日中は5分間隔で運転するので、通勤にも便利な乗り物である。
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- 郊外では専用軌道が確保され、信号も少ないので、スピーディに乗客を運ぶ。
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- デザインがスタイリッシュ!旧市街の街並みにもしっくりと溶け込み洒落ている。
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など、例え自動車をもっていない人も、都市生活の利便性は損なわれることのないように、工夫されていることが特筆すべき点です。路面電車の整備と共に、公共バスとの連携も強化。また、トラムの駅の近くに駐車場を整備し、自動車とトラムへの乗り継ぎをスムーズにしたり、自転車専用道路や駐輪場を確保するなど、自動車の利用を減らすための都市インフラの整備を続けている。
■LRT導入効果/データが古く2000年当時ですが、そこ効果はわかります。
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- 同市の自動車保有者の世帯率は、0.69%から0.65%とわずかながら下がった。
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- 都市交通の自動車の割合が、67%から55%へと減った。
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- 公共交通機関の依存が11%から、17%へと増加した。
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- 自転車の利用が、22%から25%に増加した。開通直後の利用者数の年間5,4000人が、1996年には90,000人に増加した。
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- 旧市内の自動車交通量も、1980年レベルにまで下がった。
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このような車を減らす交通政策と平行し、モール街が百貨店を核に、高級化と専門化を進めてきた。自転車や路面電車で軽快に商店街にやって来る。そして、街につくと排気ガスのない商店街を気ままに散策する・・・そんな生活スタイルがすっかりと定着。有名なゴシック様式の建物と古い町並みを求めて、外国から訪れる観光客にもトラムと歴史的な町並みのモールは、きわめて好評のようで、モール街連日、多くの外国人観光客で賑わっていた。
続く
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- </li世界遺産である中心市街地を気ままに散策すると共に、lrt(次世代型路面電車)に乗車し、郊外から市街地を行ったり来たりしながら、路面電車の利便性・快適性を体感した。>
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