富士山と五重塔の風景/外国人が創出した新名所-.山梨県の「新倉山浅間公園」

外国人旅行者に人気という山梨の新名所である「五重塔と富士山のコントラスト」の風景。

  • 場所名:新倉山浅間公園/あらくらやま・せんげん・こうえん
  • 住   所:山梨県富士吉田市新倉3353
  • 施   設:「新倉浅間神社/あらくら・せんげん・じんじゃ=富士浅間神社の分祀」、「五重塔/正式名:戦没者慰霊塔(忠霊塔)」
  • 駐車場:横の敷地に、120台が入る駐車場が!・・・これは凄い!
  •  昨年度12月に行ったが、残念ながら天候が悪く、拝めなかったので、昨日(2016/4/26)に改めて訪問した。

    ネットやテレビなどで、取り上げられているほどではなかったが、五重塔の借景に富士が広がる姿は感動的だった。残念なのは、光が強すぎ富士がくっきり浮かばなかったことと、黄砂の影響だろうか?ぼやけていた。早朝や夕景に行けば、もっと美しいに違いない。

    さて、本題ですが、この新名所はもうかなり有名な話になっているが、ルフトハンザ航空の機内誌やタイの義務教育課程の教科書に掲載されたことなどから、タイ人を中心に「tripadvisor」などの旅行の口コミサイトで瞬く間に広がったという。昨日も外国人観光の専用バスが数台停まっているほど、外国人断端客に人気を博していた。

    昨日は、その噂に影響を受けたのか、フランス語を話す家族連れに、日本人の観光客も多かった。

    一度、本ブログでも紹介したが、観光庁とナビタイム社が共同で実験した「位置データシステム」で、外国人旅行者が国内でどのような観光地をめぐっているかを可視化したところ、県内一の観光地である河口湖周辺に人が集中している一方、意外な場所に外国人が集まっているのを発見したという話・・・実は、日本人にも馴染みのないスポットが、外国人に人気があるという代表例として紹介されていたのが、この五重塔と富士山のコントラストだ。

    ただ、課題も多い。
    周辺には、連動する可能な宿泊施設や消費してもらう飲食店もないということで、ミクロ的な観点では経済的効果が「ほぼゼロ」ということである。もちろん、山梨県では河口湖を含めた広域的な観光収入はPLUSになっているそうだが、より一層の経済効果へ波及するには、なかなかハードルが高そうだ。

    • 何故なら、このブームが一過性かもしれず、急いで宿泊施設や飲食店を造るのはリスクが高すぎるという点。

    • 結構、住宅街に隣接しており、観光プロモーションを推し進めると、住民理解を得られない場合もある。

    • 本宮である「富士浅間神社 山梨県富士吉田市上吉田5558番地」では、さまざまな祭り・年中行事を行っているが、外国人旅行者向けに特別なイベント開発するのに対して、前向きになるか?

    などの課題が考えられる。

    しかしながら、これほどの素晴らしい素材を放っておくのはもったいない!

    • 富士と五重塔の風景と桜の名所でもある観光素材がある。

    • 厳かな神社があり、そこには信仰があり、祭りや年中行事が繰り広げられている。その祭りを舞台に外国人と日本人の交流イベントに発展させる。

    • 広域的に考えれば、他の名所・観光施設との連携を図れば、一大ツアーを開発できる。

    などが、企画できれば面白いかもしれない。ただし、音楽やダンスイベントを催すなら住民理解が課題となってくると思うが…。

    ___________________
    ★前回の記事は次の通り。

    ここまで進んでいる観光庁の試み。

    去年(2014年)日本を訪れた外国人旅行者は1,341万人と、過去最高を記録。国は5年後に、さらに2,000万人まで増やす目標を掲げている。 そのためには、外国人旅行者の6割を占める個人旅行客を取り組む必要がある。 そこで、実施したのが、スマートフォンを使った個人旅行の足取りをビッグデータとして集める試みだ。

    ■調査概要
    ●実施月:2014年11月。
    ●調査ツールには、乗り換え案内などで、人気のアプリ「NAVITIME for Japan Travel」が活用された。
    ●空港などでダウンロードを呼びかけ、同意を得た観光客から位置情報を入手。
    ●いつ、どこから、どこへ移動したのか、ルートや滞在場所が詳細にわかる仕組みを活用。
    ●データ数:数千人の外国人の移動データを収集した。

    ■集められたデータは、下記の図のように、ビッグデータのサーバーに格納される。 move

    ■分析結果

    1.外国人が長く滞在した場所を地図上に重ねると意外な事実が

    ●東京で人が集中していたのは、有名スポットではなく、渋谷のスクランブル交差点だった。

    ●TripAdviser、japan-guide.com、japantravel.comなどの外国人に有名なサイトで、日本のレアなスポットとして扱われたのがきっかけ。

    ●渋谷の交差点は日常の中で自然に生まれたから風景だから面白い。外国人にとっては、観光客向けに作られた施設では味わえない、本物でユニークな経験をすることが大事だとわかる。

     

    2.従来、自治体が行ってきた大規模キャンペーンは効果薄

    ●さらにビッグデータからは、日本各地を売り込んできた従来のプロモーションがあまり効果を上げていないことも明らかに。

    ●全国規模で見ると、外国人観光客の訪問先に大きな偏りが。

    ●集中していたのは東京と大阪を結ぶ区間。いわゆる「ゴールデンルート」と呼ばれ、富士山や京都などを巡る日本観光の定番コース。スキー場が多い北海道や原爆ドームがある広島など、世界的に有名な観光地に限られていた。

    逆に言えば、地方を開拓すれば、成長の余地が大きい。


    ■では、どうすれば良いのか?

    1.山梨県の「新倉山浅間公園」が外国人に人気!

    ●山梨県は、県内の外国人観光客の移動データを分析。県内一の観光地である河口湖周辺に人が集中している一方、意外な場所に外国人が集まっているのを見つけた。

    ●電車を降りてすぐそこにある場所ではない。そこまでして行きたいのか?…そこには、戦後建てられた五重塔と富士山のコントラストがあった。

    ●そこに実際に行くと、タイからの観光客が多い。聞いてみると、タイの旅行サイトで人気スポットになっているという。

    ●可視化されたデータをどのように広告・販売流通をつくっていくか?・・・山梨県は戦略を練っているそうだ。

    五重塔と富士山のコントラスト。私が行った日は生憎の曇。富士山が見えなかった!残念無念!

    五重塔と富士山のコントラスト。私が行った日は生憎の曇。富士山が見えなかった!残念無念!


     2.飛騨高山の里山サイクリング

    ●外国語ができるガイドが外国人を案内しながら、日本の原風景のような里山を巡るツアーが大変人気。

    ●そこでは農家の方が働く姿であったり、農家の方が軒先でお茶をどうぞと差し出されたりと、日常の中で自然に生まれたものが体験できる。

    つまり、造られたテーマパークや高層ビル街よりも、日本ならではの日常風景が外国人に人気がある。

     3.東京・馬喰町のホテル

    ●300軒以上の卸売り業者が軒を連ねる問屋街で、めぼしい観光施設はないが、駅の周辺の15軒のホテルに、4年ほど前から、外国人の姿が目に付くようになった。

    ●先駆けは「ホテル柳橋」。客の7割がリピーター。サウジアラビアの秋葉原オタクなどが、泊まっている。

    ●今では、TripAdviserでランキングの第4位に。

    ●その理由は、飛行機が早朝に着いたとしても、無料でチェックインの時間を早め、部屋を用意。

    さらに心がけているのは、日本語を織り交ぜてフレンドリーに会話すること。

    ●特に「ありがとう!」を多く使い、チェックアウトの時に、外国人客に「サイトに感想をお願いします」と声を掛ける。

    ●こうした努力の積み重ねで、世界の旅行者のファンをつくっている。

     

    4.観光庁×NTTデータがTwitterのつぶやきを分析

    ●観光庁は、日本を旅行した外国人のつぶやき5万件を試験的に収集。

    ●例えば、外国人が関心を持っている食べ物の1位は、すし。次いで、ラーメンであることがわかった。

    ●つぶやきを集めるメリットは、プラスの評価だけでなくマイナスの評価も把握できる点。

    Twitterの「つぶやき」を分析し、

     「つぶやきの量」 × 内容(Positive or Negative)に分類

     ・量が多ければ:人気スポットということであり、

     ・Positiveな意見は、広告に活用すべき

     ・Negativeな意見には、改善策を「つぶやき返す」

     などの施策を講じる礎となるわけだ。

    ●こうしたディープな旅行者の可視化を図っていくことで、繰り返しやって来るリピータの育成につなげたい意向だ。

    ★私感
    ただし、商品開発は大変だ。富士山・京都などのゴールデンルートをめぐるツアーで、アウトレットやデパート、ドラッグストアで爆買いのほうが商品開発は絶対に楽。

    例えば、事例で紹介した山梨県の「新倉山浅間公園」周辺には消費するような場所・・・土産物屋、宿泊施設、商店街などなく、やや広域的に観光商品をつくっていく必要があるだろう。しかし、ボロもうけなどは期待できない。

    いわゆる、観光商品もロングテールの時代になった今。小ロット他品種を集めて、総需要で利益を上げるという課題に直面していると言える。

    どちらにしても、楽に儲ける時代は去り、知恵と創意工夫、集客の仕組みづくりが必須となった今、常に消費者と世の中の動き、そして最先端技術をマーケティングでどのように活用していくのか・・・答えはまだ出ていない。企業と政府が一体となって取り組まなければならないテーマです。

     

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