映画「フランス組曲」ー上質のストーリーでした。

第2次大戦下のフランスの田舎町を舞台に、ドイツ軍将校とフランス女性との秘めた恋。しかも、作者はアウシュヴィッツで殺されたイレーヌ・ネミロフスキーの小説の映画化と聞いて、私はてっきりアウシュビッツの生死の極限状況のもと、捕虜の女性がゲシュタポの隊員に、身体を犠牲にしているうちに、禁断の恋をしてしまうのか、と思い込んでいました。

しかし、実際は大量虐殺などのカタストロフは描かれず。小さな村の小市民と、平穏時には平凡な人たちであってであろうドイツ兵たちの心の闇と良心の交錯をベース。そして、焦点はドイツ軍将校とフランス女性とのプラトニックな愛。そうした些細な話を丁寧に描いた逸品でした。

■総合点:3.96点 ★★★★☆

■私的な評価(五段階)
スクリーンショット 2016-01-12 18.33.43

●物語の味わい(ストーリー性):4.00
 戦時中においては小さなテーマを一つ一つのシーンを丁寧に紡ぎ、普通の戦争映画に比べて非常に小さな事件でストーリーが急展開。そして、エンディングはどうなるのだろう?・・・と、観る者の心を捉える展開力は秀逸だった。

●配役の妙:4.20
 美人だがどこにでもいるような平凡なフランス人女性と、戦争がなければ音楽家として静かな日々を過ごしたであろうドイツ人将校とも最適なキャスティング。小さく静かに心が動き、そして遂に燃え上がり、決して実ることのない悲哀の結末までを見事に演じていた。

●演出力:3.50
 ストーリー性でも記したが、戦時中においては小さなテーマを一つ一つのシーンを丁寧に紡いでいる演出は素晴らしいが、何故か英語劇。その点は実に惜しい・・・やはり、フランス語・ドイツ語でリアル性をもたせて欲しかった。

●映像美:4.00
 小さなフランスの小村の田園風景と家並み。その静寂がドイツ軍の侵攻によって打ち破られる瞬間の空気感を見事に醸し出していた。

●感動力:4.00
 全編・英語でなければ、+0.5かな?

という感じで、傑作とは言えないが、アウシュビッツでの消し去れない記憶で葛藤する「ソフィーの選択」と観た人や文芸作品が好みの方に、おすすめの珠玉の小品です。

派手な戦闘シーンや大虐殺はないが、市井の人々の心をかき乱す戦争の恐ろしさを身近に感じた映画でした。

■作者のイレーヌ・ネミロフスキー(Irène Némirovsky)
ー 出典:Wikipedia & Amazonの単行本「フランス組曲」の紹介文より
●1903年(ロシア キエフ生まれ) – 1942年(アウシュビッツで死去)
●ロシア系ユダヤ人で、ロシア革命後にフランス・パリに移住。
●1940年、ドイツ軍の侵攻を控え、パリから南へと移住した作家イレーヌ・ネミロフスキー。
●その逃避中、長女に「決して手放してはいけないよ、この中にはお母さんのノートが入っているのだから」と、トランクを託す。
●そのトランクの中に、小さな文字でびっしりと書き込まれた著者のノートが長い間眠っていた。
●命がけで書き綴られたこの原稿が60年以上の時を経て奇跡的に世に出るや、ベストセラーに。
●娘は、母の日記だろうと思っていたのだが、それは最後の長編小説だった。

という紹介文を読めば、誰もが悲劇的な内容を思い浮かべるが、それは憎きドイツ兵と禁断の愛。そんな意外な内容も読む人、観る人の心を引きつけるのに違いありません。

■公式サイトは、こちら
■劇場情報:こちら
 2016年1月8日公開なので、まだ当分やっていると思います。

■ブログ執筆者 近江 業務案内

人気ブログランキングへ

にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ


Leave Comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください